研究課題
基盤研究(C)
研究者は2001年にBRCA1が、BARD1とともにRINGヘテロダイマー型ユビキチンリガーゼを形成することを発見した。本研究ではユビキチンリガーゼ活性がBRCA1による染色体安定性維持にどのようにかかわっているかを解明するため、基質を含めた活性の下流の機構を解析した。独自のスクリーニング法によって同定した基質のうち、平成16年度は主にヌクレオフォスミン/B23(NPM)に関する解析を行った。BRCA1-BARD1はN末端側にてNPMと結合し、in vivoおよびin vitroにてNPMをポリユビキチン化した。ポリユビキチン化は非定型的なLys-6連結型のポリユビキチン鎖で、これによってNPMは分解されず、逆に安定化した。分裂期にBRCA1-BARD1とNPMはクロマチン周囲および中心体に共在し、この際にNPMはユビキチン化していることが判明した。BRCA1の欠失によって生じる中心体過剰複製、AneuploidyにNPMのユビキチン化不全が関与していると考えられる。17年度はプロテオミクス解析から同定したもう一つの基質であるRNAポリメラーゼのサブユニットであるRPB8を主体に解析を行った。RPB8とBRCA1-BARD1の結合を確認。in vivoおよびin vitroの系でRPB8はBRCA1-BARD1によりにてユビキチン化した。FLAG-RPB8安定的発現HeLa細胞株を作成、UV照射10分後のRPB8のユビキチン化を同定。このユビキチン化はsiRNAによるBRcA1のノックダウンによって抑制された。ユビキチン化されないRPB8の変異体を安定的に発現する細胞株は、UV照射に対する感受性が更新した。以上よりBRCA1はRPB8のユビキチン化を介して転写共役DNA修復にかかわっており、染色体の安定性に寄与していると考えられる。
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