研究課題/領域番号 |
16591288
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
久米 真 秋田大学, 医学部, 助手 (00372326)
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研究分担者 |
山本 雄造 秋田大学, 医学部, 教授 (70281730)
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助教授 (90235367)
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キーワード | 肝虚血再灌流傷害 / cyclic AMP / Protein kinase A / Phosphodiesterase inhibitor-3 / 肝臓移植 |
研究概要 |
本研究の目的は、肝臓手術に伴う肝虚血再灌流障害を回避する方法として、あらかじめ細胞内セカンドメッセンジャーcAMPシグナルを人為的に刺激し、その後の虚血再灌流障害に対する肝保護効果を誘導する新しい技術の基礎を確立することである。 まず、第一年目には、雄性LewisラットにcAMP specidfic phosphodiesterase inhibitor, milrinoneを投与し肝組織内cAMP濃度を上昇させ得ることをELISA法で確認した。そこで、ラットに45分の全肝虚血を負荷し、milrinone投与群は無処置コントロール群と比較して再灌流後の肝機能が保護され生存率が改善することを明らかにした。milrinone投与前にProtein kinase A(PKA)阻害剤を投与すると、milrinone投与によってcAMP肝組織内濃度が上昇するにもかかわらずPKA阻害作用によって肝保護効果が抑制され再灌流後の肝機能、生存率が無処置識ントロール群と同じレベルに抑えられることを確認した。以上よりmilrinone前投与によって肝虚血耐性が誘導されること、この効果において肝cAMPとPKAの作用が重要であることが示唆され、一年目の課題が達成された。 【今後の方針】当初の計画通りcAMP-PKAシグナルの肝保護作用を解明しつつあるので、次のステップとして、この動物モデルを使って炎症性サイトカイン誘導、肝類洞内皮細胞における細胞接着因子発現を免疫染色、Western blotting法で検討し、cAMP-PKAシグナルの作用機序をさらに追求する予定である。
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