研究課題/領域番号 |
16591298
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
竹田 明彦 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (90312959)
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研究分担者 |
小澤 修太郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (50245221)
小山 勇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60178390)
河合 佳子 信州大学, 医学部, 講師 (10362112)
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キーワード | 大腸癌 / センチネルリンパ節生検 / リンパ内皮細胞 / 培養法 |
研究概要 |
背景:センチネルリンパ節生検は、一般的な手技としてすでに定着しており、悪性リンパ腫や乳癌においてはその臨床的な有用性が確認されている。大腸癌におけるセンチネルリンパ節理論はいまだ一般的ではなく、その臨床的意義も明確ではない。またセンチネルリンパ節に流入するリンパ管やリンパ内皮細胞の特徴もほとんど解明なされていない。 方法:治癒切除可能な大腸癌症例36例(stage0/2例、I:18例、II:4例、III:12例)に対して漿膜下色素注入法(Patent Blue)によるセンチネルリンパ節生検を行い系統的なリンパ節郭清を追加した。同時に採取されたリンパ管からCollagenaseII灌流法により内皮細胞を単独分離し、内皮細胞専用培地による培養系への移行を試みた。 結果:センチネルリンパ節の同定は34例(94%)で可能であった。摘出された全リンパ節数は705個であり、そのうちセンチネルリンパ節として確認されたものは72個(10.2%)であった。センチネルリンパ節内の転移陽性個数は10個(13.9%)であり、同定されたセンチネルリンパ節数の一症例あたりの平均値は2.0個であった。摘出リンパ節数からみた転移検出感度(sensitivity)は86.1%、転移診断正診率(specificity)は99.2%であった。色素注入に伴う合併症や毒性の出現は認めなかった。また採取したリンパ管から分離された細胞は内皮細胞としての特有のコロニーを作り、リンパ内皮細胞に特異的なVEGFR-3の発現を認めた。 考察:色素法による大腸癌のセンチネルリンパ節生検は高い感度と正確さを有し、安全で進行癌症例にも応用可能な手技である。また採取されたリンパ管からリンパ内皮細胞を単独分離、培養する方法を確立した。この成果は大腸癌手術における合理的な切除範囲の決定と今後のリンパ行性転移機構の解明に新たな道を開くものと期待される。
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