研究課題
基盤研究(C)
我々は、重症肝不全患者の治療法を開発する目的で、ブタ肝臓を用いた人工肝臓システムの開発、及び、血液透析濾過、血漿交換などの血液浄化療法の研究を行ってきた。ブタ肝臓を用いた人工肝臓システムは、肝臓の代謝性能は著明であるが、一般社会の異種への心理的抵抗や異種ウィルスなどの易学的問題があり、今後臨床応用を実現することには困難が予想される。一方、血漿交換には医療資源の供給量の限界の問題があるが、将来的には、形質転換を用いて酵母、ブタ等からリコンビナント・ヒト血清タンパクが安価に大量に得られることが予想され、血液透析濾過と、アルブミンや凝固因子などの有用ヒトタンパク投与を合わせた血液浄化療法が、最も実用的な治療法として普及することが予想される。我々はこの数年、ヒトアルブミンを分泌する形質転換ブタ生産の研究を進めているが、これと並行して、心臓手術後の回復期に血液透析濾過を受けている患者に対し、血圧保持及び治癒促進の目的で、ヒト血清アルブミンを投与する臨床応用を行った。今後の人工臓器学の研究者は、幅広く多くの臓器に通暁することが、患者治療のためにも望ましいと考えられる。我々は血液透析もしくは血液透析濾過の補助療法として遠赤外線ヒーターにより就眠中の発汗を促すことによる除水療法を検討した。両側腎臓摘出によって作成したブタ腎不全モデルに対し、遠赤外線除水療法、及び、血液透析を併用したところ、遠赤外線除水療法と血液透析を併用したブタ群が対照群より有意に生存期間が長かった。遠赤外線除水療法は透析患者の基準体重維持に有効であると考えられ、肝不全患者への有効利用も期待される。我々はさらにミニブタ、シバヤギの心臓弁を用いてこれまで使用されたより小さなサイズの生体弁を作る研究を開始しており、今後、肝臓、腎臓、心臓を含めた人工臓器全体のレベルアップに寄与したいと考えるものである。
すべて 2005 2004
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