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2004 年度 実績報告書

抗サイトケラチン抗体を用いた十二指腸乳頭部癌のリンパ節微小転移巣検出及びその意義

研究課題

研究課題/領域番号 16591301
研究機関新潟大学

研究代表者

若井 俊文  新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (50372470)

研究分担者 白井 良夫  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (50216173)
横山 直行  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員
キーワード十二指腸乳頭部癌 / リンパ節転移 / 微小転移 / サイトケラチン / 抗サイトケラチン抗体 / 免疫組織化学 / 予後
研究概要

平成16年度はリンパ節郭清を伴う膵頭十二指腸切除術が施行された十二指腸乳頭部癌35症例を対象として抗サイトケラチン抗体を用いたリンパ節微小転移巣の検出及びその意義を検討した。
1 リンパ節微小転移の陽性率
計898個の所属リンパ節(患者当たり中央値25個のリンパ節)を組織学的に検鏡した結果、通常のHE染色によりovert転移巣が検出されたのは19例(54%)、63リンパ節であり、抗サイトケラチン抗体を用いた免疫組織化学染色にて微小転移巣が検出されたのは8例(23%)、24リンパ節であった。
2 リンパ節微小転移とovert転移(HE染色)との関連
微小転移陽性例は全例でovert転移巣が検出された。微小転移陽性例(overt転移個数中央値3.5)は微小転移陰性例(overt転移個数中央値0)に比し有意にovert転移陽性リンパ節の個数が多かった(P<0.001)。
3 リンパ節微小転移別overt転移(HE染色)の解剖学的分布
微小転移陽性例では微小転移陰性例に比し遠隔リンパ節である上腸間膜リンパ節(P=0.001)、傍大動脈周囲リンパ節(P=0.038)へのovert転移の頻度が有意に高かった。
4 リンパ節微小転移の予後に与える影響
切除後の観察期間中央値は126か月であった。単変量解析で、リンパ節微小転移陽性例の予後(5年生存率0%)はリンパ節微小転移陰性例(5年生存率79%)に比し有意に予後不良であった(P<0.0001)。多変量解析でも、リンパ節微小転移陽性(相対危険度,4.156:P=0.015)は独立した予後不良因子であった。overt転移巣が検出された19例において、リンパ節微小転移陽性例(術後生存期間中央値11か月)はリンパ節微小転移陰性例(術後生存期間中央値61か月)に比し有意に予後不良であった(P=0.0009)。以上の結果から、抗サイトケラチン抗体を用いた免疫組織化学染色にて同定されたリンパ節微小転移は広範なリンパ行性進展を示す指標であり、独立した予後不良因子であると考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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