研究課題/領域番号 |
16591306
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
丸田 福門 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (00293481)
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研究分担者 |
中山 淳 信州大学, 医学部, 教授 (10221459)
宮川 眞一 信州大学, 医学部, 教授 (80229806)
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キーワード | バイオパンニング / 癌標的治療 / テイラーメイド療法 / 肝癌 / 大腸癌 / 分子標的治療 / ペプチド / ファージ |
研究概要 |
本年度はリアリタイム・バイオパンニング法の確立を行った。 倫理委員会の承認および患者のインフォームド・コンセントを得た後、肝細胞癌の手術標本より肝癌細胞を樹立した。肝癌細胞株に対しバイオパンニングを行い、これに結合するペプチドを複数同定した。そのうち、肝癌細胞株に最も効率よく結合するペプチドは、ch-TOGpという肝癌過剰発現蛋白と一部相同領域を有していた。 大腸癌手術標本に対するex vivoバイオパンニング法により、大腸癌結合ペプチドを同定した。このペプチドを組み込んだファージベクターを大腸癌手術標本に経動脈的に注射すると、周囲正常組織に比べ有意に多く大腸癌に集積した。また、ペプチドを組み込まないコントロールのファージベクターに比べても有意に多く癌組織に集積した。さらに、免疫組織染色では、このペプチド組み込みファージベクターが癌組織内の微小血管内皮に沈着していることが示唆された。データベース検索では、このペプチドは既知の大腸癌関連ペプチドとは、明確なホモロジーがなく、新規の大腸癌関連ペプチドである可能性が示唆された。現在、大腸癌マウスモデルを作成し、in vivoでの同定ペプチド結合効率を検証中である。 以上より本年度の目的であるリアリタイム・バイオパンニング法の確立が達成された。その成果の一部は、第42回日本癌治療学会総会シンポジウム「分子生物学に基づく固形癌治療,(平成16年10月27日)、第63回日本癌学会総会ワークショップ「ドラッグデリバリーシステム」(平成16年9月30日)などで発表し、第91回日本消化器病学会総会シンポジウム「消化器領域におけるプロテオーム研究の現状と新しい展開」(平成17年4月14日)で発表予定である。また、論文投稿準備中である。
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