研究分担者 |
神谷 欣志 国立大学法人浜松医科大学, 医学部付属病院, 助手 (20324361)
田中 達郎 国立大学法人浜松医科大学, 医学部付属病院, 助手 (90273185)
伊藤 利昭 浜松ホトニクス株式会社, 中央研究所, 専任部員
上田 之雄 浜松ホトニクス株式会社, 中央研究所, 部員
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研究概要 |
1.ヌードマウス移植ヒト胃癌組織を用いて,近赤外励起ラマン分光測定における励起条件,散乱光の集光条件の最適化を行った. 2.ヌードマウス移植ヒト胃癌株の特性による近赤外励起ラマン分光測定結果の違いを観察し,生波形による解析,主成分解析(Primary Component Analysis)を行った. 3.動物実験の結果から,胃癌組織における近赤外励起ラマン分光解析が有用な診断手段となりうるものと判断し,臨床検体を用いた検討を行った.本学倫理委員会の承認及びインフォームドコンセントを得た上で、ラマンスペクトルの主成分分析によって内視鏡生検による癌組織と正常組織の検討を行った。胃癌術前症例30例を対象に、内視鏡生検にて癌部3検体、非癌部3検体を採取し近赤外励起ラマン分光解析を行った。ラマン生波形より形状の悪いスペクトルを削除し、スペクトル波数の校正等を行い、主成分分析(principal component analysis : PCA)にて解析を行った。特徴的なPCA第2成分における適用結果(主成分得点)により癌、非癌でそれぞれ波形を描出したところ、多くの症例で癌、非癌の識別が可能であった。 4.臨床病理学的因子と波形解析結果との関連についても検討しているが,PCA主成分得点が明瞭に分離したものをそれぞれ抽出しtub, porそれぞれの波形を重ねあわせたところ、tub, porそれぞれの波形で共通性がみられた現在,特異性,感受性向上による正診率の向上を目指して,測定条件,解析方法などの改善を行っている.
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