研究課題/領域番号 |
16591329
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
佐々木 淳 大分大学, 医学部第一外科, 助手 (20336283)
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研究分担者 |
北野 正剛 大分大学, 医学部第一外科, 教授 (90169871)
太田 正之 大分大学, 医学部第一外科, 講師 (80271104)
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キーワード | 肝細胞癌 / 樹状細胞 / 再発予防 / 免疫療法 |
研究概要 |
1.肝細胞癌の再発因子に関する検討 当科において治癒的肝切除術を受けた100人を対象に娘結節の存在、腫瘍から娘結節までの距離を診断し、臨床病理学的因子との関連を検討した。その結果、高分化型肝細胞癌または腫瘍径が25mm未満の症例においては娘結節が5mmを超えて遠位に存在することは少なく、予後が良いことが示された。このことから、再発の高危険群を中低分化型または腫瘍径が25mmを越えるものと設定し、本治療における対象症例をより厳格に絞り込むこととした。尚、この結果に関してはCancer誌(2005;103:299-306)に報告した。 2.樹状細胞治療の効果増強に関する基礎的研究 これまでの研究の結果、肝細胞癌患者における樹状細胞機能の低下のため、臨床効果が得られにくい可能性が考えられたため、樹状細胞治療をより効果の高い治療法にするための基礎的検討を行った。マウス皮下多発腫瘍モデルを用いて、樹状細胞治療単独、IL-12遺伝子導入治療単独、およびその併用治療を施したマウスの抗腫瘍効果および抗腫瘍免疫活性を検討した。その結果、(1)併用治療において治療側腫瘍だけでなく、非治療腫瘍においても著明な抗腫瘍効果を認めた。(2)併用治療マウスにおいて抗腫瘍免疫活性の著明な上昇を認めた。(3)併用治療腫瘍において著明な抗血管新生作用を認めた。 これらのことから、樹状細胞治療においてIL-12遺伝子導入治療が非常に有用性の高い併用治療法となりうると考えられた。尚、この結果に関してはCancer Science誌に投稿し、現在印刷中である。
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