研究課題/領域番号 |
16591333
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
古畑 智久 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80359992)
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研究分担者 |
平田 公一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50136959)
鶴間 哲弘 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80381268)
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80311893)
前佛 均 札幌医科大学, 医学部, 助手 (90372820)
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キーワード | 胃癌 / 膵癌 / 単核球 / RANTES / MMP-9 / 浸潤能 / CCR |
研究概要 |
1.胃癌、大腸癌、膵癌細胞株、約20種類についてRANTESのmRNA発現をRT-PCRにてスクリーニングした。その結果、胃癌の高転移株や低分化癌細胞株、膵癌細胞株で高率にRANTESの発現を認めた。 2.胃癌細胞株について浸潤能検討を行った。胃癌細胞株単独培養の系では、マトリゲルを通過できる細胞はごく少数であったが、末梢血単核球と共培養すると浸潤能は有意に上昇した。この現象は、高転移細胞株と低分化癌細胞株で観察されたが、低転移細胞株では観察されなかった。高転移株と末梢血単核球の共培養の系にRANTES抗体を添加すると、浸潤能は有意に低下した。また、低転移株と末梢血単核球の共培養の系にRANTESを加えると浸潤能は有意に上昇した。以上の結果より、胃癌細胞株の浸潤のKey mediatorのひとつとして、RANTESが考えられた。 3.RANTESの標的となる細胞を確かめるために、RANTESのレセプターであるCCR1、CCR3、CCR5のmRNA発現を検討した。胃癌細胞株ではいずれもCCRについてもその発現を認めなかったが、単核球ではすべてのCCRについて発現を認めた。この結果より、RANTESの標的となる細胞は単核球であることが確認された。 4.胃癌高転移株、胃癌低転移株のそれぞれと単核球を共培養し、単核球のMMP-9のmRNA発現を検討した。高転移株では、共培養によってMMP-9発現の上昇を認めたが、低転移株ではその現象は観察されなかった。RANTES添加によってdose-dependentにMMP-9の発現上昇を認めるとの報告もあることから、高転移株と単核球の共培養の系においては、RANTESによって単核球のMMP-9発現が誘導され、そのMMP-9を利用して癌細胞の浸潤効率が上昇したものと考えられた。 5.今後、これらの結果をin vivoの系において研究を進める予定である。
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