ターゲットとなる配列は、標的遺伝子のスタートコドンから50〜100塩基下流のopen reading frameの領域の中で50%程度のG/C比を含むAA(N19)TTという配列で、siRNA construction kitを用いてsiRNAを合成した。予備実験としてそれら4種類のsiRNAを食道癌細胞株TE1にtransfectionし、そのうちの一つが90%以上の遺伝子発現を抑制したことを確認した。 食道癌細胞株TEシリーズのうちTCFの発現の高い細胞株TE1、2を選択し、Oligofectamineを用いてsiRNAをtransfectionした。Transfectionの24〜96時間後にRNAを抽出したが、48時間後が最も発現抑制が見られたため、以後の実験はtransfection後48時間後のRNAを使用した。また、transfectionの効率は細胞によっても異なるが、30〜40%であった。作製したcDNAにおけるTCF4のmRNAレベルの90%以上の発現低下を確認した。 食道癌細胞株(TE1、2)、大腸癌細胞株(SW480、LoVo)にOligofectamineを用い、siRNAをtransfectionし、コントロールと比較して、すべての細胞株で細胞死を誘導できた。現在までにギムザ染色にて、発現抑制群の細胞数減少を確認した。さらにMTTassayを行い、定量し、FACSでアポトーシスを評価する予定である。
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