食道癌細胞株TEシリーズのうちTCFの発現の高い細胞株TE1、2を選択し、Oligofectamineを用いてsiRNAをtransfectionした。transfectionの24〜96時間後にRNAを抽出したが、48時間後が最も発現抑制が見られたため、以後の実験はtransfection後48時間後のRNAを使用した。また、transfectionの効率は細胞によっても異なるが、30〜40%であった。作製したcDNAにおけるTCF4の発現をLightCyclerを用いて定量RT-PCRを行い測定し、コントロールと比較しTCF4のmRNAレベルの90%以上の発現低下を確認した。 食道癌細胞株(TE1、2)、大腸癌細胞株(SW480、LoVo)にOligofectamineを用いsiRNAをtransfectionし、コントロールと比較して、すべての細胞株で細胞死を誘導できた。 現在までにギムザ染色にて、発現抑制群の細胞数減少を確認した。 ところが、MTTassayを施行したところ、その時点で有意な差が得られなくなってしまった。FACS解析まで施行できなかった。現在、siRNAを再度作成しなおして、解析中である。 同時並行でまずTEシリーズ15種類と正常食道由来の細胞株HETlAを用い、RNAを抽出し、cDNAを作製した。そのcDNAを用い、約30000遺伝子のマイクロアレイを行った。slRNAによって細胞死を誘導できた細胞株群と細胞死を誘導できなかった細胞株群においてクラスター解析を行い、細胞死を誘導するキー遺伝子を同定する予定であったが、現時点で中断している。これらのマイクロアレイの結果は、抗がん剤感受性遺伝子の同定や新規抗がん剤の開発研究に応用していく予定である。
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