研究課題
基盤研究(C)
大腸癌において異常なメチル化が発生している遺伝子を網羅的に検索するために、Methylation-sensitive representational difference analysis (MS-RDA)法を用いて若年者大腸癌症例を対象とした検索を施行した。25才と27才の女性で大腸癌の家族歴を有さないにS状結腸癌2例を対象とした。腫瘍部でメチル化を認め正常粘膜部ではメチル化を認めない遺伝子をMS-RDA法によって検索した。その結果、計33個のPCR産物を抽出した。33個中、1個がalpha-1-B-adrenergic receptorのexon1 (ADRA1B)とexon2の間のintron領域であることが同定された。ADRA1Bは、G蛋白結合膜蛋白である。34例の大腸癌の癌DNAでは、Region 3とRegion 4の両領域に4例(11.8%)でメチル化が認められた。背景粘膜DNAでは、全領域にメチル化は認めず、大腸癌ではADRA1B promoter領域のメチル化は癌特異的なものであった。つぎに、34例の胃癌症例を対象とした。ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は、胃癌組織では34例中24例(70.6%)に、また、周囲粘膜では14症例(41.2%)で認められた。これら34症例の検索において、ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は腸上皮化生粘膜では41.6%に、腸上皮化生を有さない粘膜では25%に認められた。ADRA1Bの発現の減少は、検索した胃癌18例中12例に認められ、これら12例中11例で、ADRA1Bのプロモーター領域のメチル化を認めた。以上より、ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は、胃癌において高頻度に認められることが明らかとなった。従って、ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は胃癌の発生において重要な役割を果たす可能性が考えられた。
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