研究概要 |
本研究は生物学的悪性度の強い膵臓癌細胞における各発育階層における癌幹細胞並びに前駆細胞の同定、分離により、それぞれの癌細胞の機能的特性・性質を分子細胞学的解析する事により細胞増殖能、抗癌剤感受性抵抗性の獲得等、癌細胞本来の持つ特徴的性格を解明する事により、膵臓癌細胞学的特性を知ると同時に、癌幹細胞遺伝子を標的とした新しい選択的がん治療法の確立を目指し、本年度は、昨年に引き続き、膵癌培養細胞5株と臨床膵癌3症例の培養細胞から、分取用モノクローナル抗体(CD33, CD45, CD133)を用いて免疫染色法にて培養癌細胞の同定・分離を行なった。未分画細胞の免疫染色によるサイトケラチン(CK)およびEMA抗原の発現は、個々の細胞株により染色度合いは異なり、Nestin(NT)は極少数の細胞においてのみ観察されている。 その他、幹細胞分離の同定法として、免疫染色法、FACSおよびRT-PCR法を用いて既知発現遺伝子について解析し、FACSによるSide Population(SP)細胞の同定に関して、検出感度をあげる為の測定方法について再検討した。その他、磁気細胞分離法、colony形成法を用いる方法を検討した。さらにRT-PCR法においては、Bim-1,NT,NGFR,NT,ABCG2,Brm,の発現量の解析を行った。
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