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2005 年度 実績報告書

EBV感染胃癌のモデル作成と上皮細胞における感染のメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 16591354
研究機関帝京大学

研究代表者

福島 亮治  帝京大学, 医学部, 助教授 (50228897)

研究分担者 冲永 功太  帝京大学, 医学部, 教授 (00101098)
田島 マサ子  帝京大学, 医学部, 助手 (20211360)
キーワード胃癌 / EBV / マウス / 発癌
研究概要

Epstein-Barr virus(EBV)は伝染性単核症、バーキットリンパ腫、上咽頭癌などの要因ウイルスとして知られ、また一部の胃癌との関連も報告されている。我々はヒト胃癌組織からEBVを産生する上皮系の細胞株(GTC-4)を樹立し、その細胞株が産生するEBV(以下GTC-EBV)のin vivo消化器系への感染性について検討した。【対象と方法】7週令の雄性BALB/cマウスを用いた。マウスの胃内に異なる濃度のアルコールを注入して急性粘膜障害を起こし、4時間後に胃内にウイルスを注入した。対照としてアルコール非注入マウスを用いた。ウイルス液は、樹立初期の細胞株(GTC-4)とGTC-4を特殊な条件下でクローニングした細胞株(GTG-5)をEBV誘導因子で処理して作成した。マウスはウイルス注入後24、48、72時間、21、60、100日、9ケ月、11ケ月で犠死せしめた。各種臓器を採取し、免疫組織法とEBEAプローブ(EBV-RNA)を用いたIn situハイブリト法でEBVの検索を行った。免疫組織染色の一次抗体は3種類のヒト血清と単クローン抗体として抗LMP-1、抗EA、抗NA-1、抗NA-2を用いた。【成績】アルコールで粘膜が傷害されたマウスはEBV注入後24時間でNA-2、EBERを胃腺の中間層の胃上皮細胞を中心に認めた。72時間以後ではLPM-1、NA-1蛋白を認めたが、感染細胞は胃腺部に限局されていた。腸管リンパ節はEBV陰性であった。60日以後にはウイルス蛋白の発現減少を認めた。100日目のマウスは胃腺の上層と下層の上皮細胞にLMP-1陽性細胞の増殖を認め、増殖組織は限局されていた。9ケ月目では胃と腸組織の腺底部にEBER陽性細胞の増殖を認めたが、LMP-1とEBV-DNAは陰性であった。11ケ月目の胃組織は組織構築の乱れと、Brdu取り込み細胞塊を認めた。【考察】GTC-EBVはBALB/cマウスの胃上皮細胞に感染することが判明し、消化器系におけるEBV感染モデルとしての有用性が示唆された。再生と細胞増殖が活発な胃組織ではLMP-1が早期に消失してしまう。このことは免疫監視機構からの回避を示唆している。今回のマウスでの結果は、ヒトEBV胃癌組織でEBERのみが発現している結果と類似していた。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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