研究課題
基盤研究(C)
平成16年度は定量的マイクロイサテライト分析法で測定し得る分子標的療法・免疫療法・化学療法に閲連する特定遺伝子領域の情報収集に大半を費やした。同法においてマイクロサテライト領域のDNAコピー数の定量化は胃癌組織で確立しており雑誌Clinical Cancer Research10:3013-3019:2004に発表した。この中で特定遺伝子領域であるZNF217のDNAコピー数の定量化にも成功しており16年度は更に症例数を増加させ解析した。17年度は染色体20qのAIB-1、8qのc-MycのDNAコピー数の定量化を施行した。同年からTaxan系の抗癌剤耐性に関与し、かつCancer testis antigenとして能動的免疫療法の標的となりうるMAGE--Afamily(特にMAGE-AIO・MAGE-A3)・TRAG-3に着目し、18年度にかけPoly-MAGE-AのMonoclonal antibodyである6C1にて遺伝子産物を免疫組織学的に検出し、肝転移症例の70%に発現することを見いだした。18年度からはMAGE-AIOについては特異的なMonoclonal antibodyが存在しないために組織内での遺伝子発現の局在をみるべくcRNAプローブを作製し、in situ hybridizationを施行し、6C1での結果と同様所見を得た。現在、これらの結果と定量的マイクロイサテライト分析法の結果を比較検討中である。今後、定量的マイクロイサテライト分析法で効率的に測定可能な特定遣伝子域の選択のスクリーニングとして免疫組織化学染色・cRNAプロ-ブによる高感度in situ hybridizationが有用ではないかと検討中である。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
Clinical Cancer Rpsearch 10
ページ: 3013-3019
Clinical Cancer Research 10