研究課題/領域番号 |
16591373
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
海堀 昌樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (30333199)
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研究分担者 |
上山 泰男 関西医科大学, 医学部, 教授 (90127069)
權 雅憲 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70225605)
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キーワード | Pirfenidone / 肝虚血再灌流障害 / 生存率 |
研究概要 |
[目的]肝病態モデルとして肝移植術後に合併する頻度が高い肝虚血再灌隆障害モデルにおいてPirfenidoneの生体保護効果を検討する。 [方法]300g前後のSD系雄性ラットを使用し全肝虚血モデルを作製した(門脈うっ血回避のため上腸間膜静脈と右外頸静脈間にシャント回路を作製)。75分間の温虚血の後、再灌流直前にPirfenidone 300mg/kgを経口投与、コントロール群は0.5% carboxymethylcellulose 2mlを経口投与する。再灌流後の両群における生存率を検討する。生存率においてPirfenidoneの効果が認められれば、70%部分(中央葉、左外側葉)肝虚血モデルを作製、60分間の温虚血の後、再灌流直前にPirfenidone 300mg/kgを経口投与、コントロール群は0.5% carboxymethylcellulose 2mlを経口投与し、生化学項目を測定し比較検討する。 [結果]全肝虚血モデルにおいてPirfenidone群、コントロール群ともラット約20匹での比較検討を行った(基礎実験としてPirfenidoneの投与時間、投与量も検討した)。コントロール群は再灌流後36時間以に全例死亡した。Pirfenidone群は約半数(9匹)が48時間生存したが、統計学的有意差は認められなかった。追試実験として各群6匹ずつ同様の検討を行ったが、両群において統計学的な有意差は認められなかった。70%部分肝虚血モデルを作製し、再灌流後1、3、6時間でのAST、ALT、LDHの変動を比較検討したが、両群において有意な差は認められなかった。 [考察]ラット肝虚血再灌隆障害モデルにおいてPirfenidoneの生体保護効果は認められなかった。これまでの肝病態モデルにおいてPirfenidoneの生体保護効果は認められず、今後他臓器での(小腸虚血再灌流障害モデルなど)Pirfenidoneの生体保護効果を検討する予定である。
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