研究課題/領域番号 |
16591384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
廣島 健三 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (80218833)
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研究分担者 |
藤澤 武彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (80110328)
飯笹 俊彦 千葉県がんセンター, 呼吸器科, 主任医長 (10272303)
渋谷 潔 千葉大学, 医学部付属病院, 講師 (20302565)
安福 和弘 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (60372356)
伊豫田 明 千葉大学, 医学部付属病院, 助手 (10302548)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 肺癌 / マイクロアレイ / 間質細胞 / 細胞周期 / 予後 / リンパ節転移 / p16 / p21 |
研究概要 |
52例の肺癌切除標本の腫瘍組織および隣接した正常肺組織からtotal RNAを抽出し、10000種類の遺伝子を搭載したオリゴアレイを用いて遺伝子解析を行なった。遺伝子発現解析の結果、リンパ節転移に関連する遺伝子として23遺伝子、術後再発転移に関連する遺伝子として別に23遺伝子が抽出された。これらの遺伝子群を用いた前向き試験による解析では、リンパ節転移判別率は7脇、術後再発転移判別率は75%であった。術後再発高リスク群は低リスク群に比べ、有意に予後が悪かった。これらの抽出された遺伝子は肺癌の新たな病型診断に関連する因子を含むことが示唆された。 非小細胞肺癌患者54名の手術摘出標本から腫瘍および正常肺組織において、inhibitor of the apoptosis protein (IAP) familyであるsurvivinおよびlivinの遺伝子発現を、quantitative real-time PCRを用いて検討した。Survivin、livinともに腫瘍部位では正常部位と比較し、優位に高発現であった。組織型では、survivinは腺癌で高発現を示すものが多く、livinは非腺癌で高発現を示すものが多かった。これらの遺伝子の高発現群で予後不良な傾向が認められた。 N2非小細胞肺癌症例には種々の症例が含まれ、切除後の予後が良好な症例が含まれる。細胞周期に関するこれらの蛋白発現を検討することにより、N2非小細胞肺癌の亜分類を試みた。N2非小細胞肺癌61例の摘出標本を用いて、免疫染色によりRb、cyclin D1、p16、p53、p21、Ki-67標識率を検討した。多変量解析ではp21とp16の発現が予後と関係した。p21とp16がともに陽性となる症例は最も予後がよかった。臨床的にN2であっても、p21とp16がともに陽性である場合は、手術により予後の改善が期待できる。
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