研究課題
<目的>慢性虚血心に対する骨格筋芽細胞移植に足場となる細胞外マトリックスと細胞増殖因子徐放投与を併用して、その効率化を図る。<方法>Lewis ratを用いて、慢性心筋梗塞モデルを作成した。これに骨格筋芽細胞移植と塩基性線維芽細胞増殖因子徐放投与、肝細胞増殖因子徐放投与の併用を行い、心機能(エコー、カテーテル検査)と移植細胞の生着度、血管新生の程度(組織化学的検査)の評価を行った。また、別にコラーゲンシートに塩基性線維芽細胞増殖因子徐放投与を併用し、1週間後にシート内に骨格筋芽細胞移植を行った。同様の評価を行った。<結果>骨格筋芽細胞移植に塩基性線維芽細胞増殖因子、あるいは肝細胞増殖因子を徐放投与すると、骨格筋芽細胞移植単独群に比し、有意に心機能が改善し、生着した移植細胞のvolume、その周囲に血管密度が増加した。コラーゲンシートに塩基性線維芽細胞増殖因子を併用すると、シート内に血管新生を誘導することが可能であったが、移植細胞はコラーゲンに起因すると思われる炎症反応のために、ほとんど生着しなかった。骨格筋芽細胞移植に対する細胞増殖因子徐放投与併用は有効であるが、コラーゲンシート内での移植細胞の生着・増殖は不可であった。
すべて 2004
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Circulation Vol 110, No.17 suppl
ページ: 1880
ページ: 812