研究課題/領域番号 |
16591425
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
橋詰 清隆 旭川医科大学, 医学部, 講師 (00250580)
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研究分担者 |
田中 達也 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20108715)
津田 宏重 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30360994)
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キーワード | てんかん / 脳深部電気刺激 / 視床下核 / カイニン酸 / 実験てんかん |
研究概要 |
【目的】動物てんかんモデルを用いて、てんかん発作に対する視床下核の高頻度電気刺激術(HFS-STN)の発作抑制効果と機序について、(1)部分てんかん発作モデルに対する焦点側のみのHFS-STNの発作抑制効果、(2)HFS-STNによる脳糖代謝の変化、を明らかにするために研究を行った。 【方法】winstar系雄性ラットを用いてハロセン吸入麻酔下で定位脳手術装置に固定し、左運動野にカイニン酸注入用カニューラを、左視床下核にテフロン被覆されたステンレス線2本(1本の直径は0.2mm)からなる刺激用電極を留置した。両側運動野には脳波記録電極も留置した。手術の7日後に左運動野にカイニン酸2.0μg/μlを注入し部分発作を誘発した。発作重積時に左視床下核の高頻度電気刺激を行い、ビデオ脳波同時記録装置で発作頻度を観察、記録した。刺激中と刺激休止中の発作頻度を発作行動と脳波変化から計測し比較した。電気刺激の条件は、パルス幅:0.1msec、刺激頻度:130Hz、刺激強度:運動誘発される閾値の70%、とした。 【結果】HFS-STNによって一側運動野の焦点発作は対照と比較して約60%に減少した。焦点発作に対してはHFS-STNは両側でなくても同側のみで発作抑制効果を示した。 【考察】視床下核は同側の運動野や基底核へ影響を及ぼし一側性の支配のため、一側の皮質焦点発作は同側のHFS-STNのみで抑制することができる可能性を推測したが、その通りの結果が得られた。しかし、このモデルで両側HFS-STNを行った場合に、一側の場合より発作抑制に優れているかどうかを検討する必要はあると思われる。 【補足事項】本年度は目的(1)に対する研究が主体となり、研究目的(2)については次年度(平成17年度)へ持ち越すことにした。
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