研究概要 |
1、単一神経活動記録誘導による深部電極の視床下核留置 ラットを麻酔後、定位装置に頭部を固定して、微小電極により単一神経活動記録した。視床(VPM),Zona Incerta,視床下核(STN)において、特徴的な神経活動(VPM-fine, high frequent, Zonaincerta-almost silent, STN-high frequent irregular)が記録され、視床下核が同定された。2、正常ラットにおける視床下核刺激による行動評価 正常ラットにおいて、視床下核を刺激すると対側にorofacial(50μA)→forepaw(140μA)→genera(150μA)とひろがるdystonia, dyskinesiaの異常運動を示し、250μAでは対側の回旋運動を示した。3、視床下核深部刺激による神経保護効果を示す行動学的評価A)6-OHDAが右線状体に注入されたのみの未処置群B)右視床下核に深部刺激電極が留置された後、6-OHDAが右線状体に注入されるが、持続電気刺激は施行されない群(一時的深部刺激群)C)右視床下核に深部刺激電極が留置され、その後6-OHDAが右線状体に注入された後、2-4週間後まで慢性的、持続的に深部刺激(80-100μA)が与えられる群(持続的深部刺激群)の3群に大別され、比較検討された。Apomorphine(0.15mg/Kg)を皮下注することで誘発される対側の回旋運動を1分間の回旋数で表し、黒質の変性脱落の程度を評価した。結果、A)郡6.11±1.19回/分 B)群off 5.23±1.10回/分on -0.51±0.27回/分 C)群on 0.54±0.26回/分,off 0.61±0.28回/分であった。慢性刺激により、回旋運動が観察されなかったことは、黒質の変性脱落が防御されたと考えられた。
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