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2005 年度 実績報告書

小胞体ストレス抑制を利用した脳梗塞に対する分子標的療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16591448
研究機関熊本大学

研究代表者

矢野 茂敏  熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60332871)

研究分担者 森岡 基浩  熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20295140)
甲斐 豊  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30322308)
森 正敬  熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40009650)
キーワード脳梗塞 / 小胞体ストレス / CHOP / BiP / アポトーシス / 海馬 / 線条体
研究概要

前年度の研究にて、マウスの脳梗塞モデルにおいてCHOPの誘導が細胞死に関与していることが明らかになった。そこでさらにCHOPの関与を確実に裏付けるため、脳梗塞をおこした野生型マウスとノックアウトマウスにて、CHOP以外の小胞体ストレスの程度を比較した。小胞体ストレスのマーカーであるBipおよびXBP1の発現が両者ともに認められ、脳梗塞による小胞体ストレスは同様に認められていることが明らかになった。また、両者の虚血時の生理学的検査データの比較を行ったが、明らかな違いは認められなかった。したがって、この実験系では、両マウスは十分に比較可能な条件であり、脳梗塞において線条体と海馬でのCHOPの発現上昇が細胞死のに強く関与していることが確実となった。
次に、正常細胞レベルで外因性にCHOPの抑制ができないかを検討した。培養神経細胞および神経芽細胞腫(PC12細胞)に低酸素負荷を行った。24時間の負荷にて細胞はアポトーシスに陥り、CHOPの誘導が認められることを確認した。そこでCHOPタンパクの発現抑制を試みたが、CHOPを特異的に抑制することはできなかった。そこで小胞体ストレスを抑制するBiPを過剰発現するモデルを検討した。BiPの発現ベクターを作成し、PC12細胞内に導入した。BiPの量を増やした状態でさまざまな程度の低酸素負荷を行ったが、24時間後の評価ではBiPの過剰発現による細胞死抑制効果は明らかには認められなかった。現在BiP発現の方法を検討中であり、新たなベクターの作成を行っている。CHOPノックアウトマウス由来の神経細胞においても、より長期間の低酸素負荷でやはり細胞死は起こり、完全に抑制されることはなかった。このことは、低酸素状態における細胞死にはCHOP以外の重要な経路が存在することを示している。今後は小胞体ストレス全体の脳虚血における重要性をさらに検討するとともに、CHOPの抑制方法を開発していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Therapeutic time window and dose dependence of neuroprotective effects of sodium orthovanadate following transient middle cerebral artery occlusion in rats.2006

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa Y, Morioka M, Yano S. et al.
    • 雑誌名

      J Pharmacol Exp Ther. (In press)

  • [雑誌論文] Functional proteins involved in regulation of intracellular Ca(2+) for drug development : role of calcium/calmodulin-dependent protein kinases in ischemic neuronal death.2005

    • 著者名/発表者名
      Yano S, Morioka M, Kuratsu J, Fukunaga K.
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci.2005 97(3)

      ページ: 351-354

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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