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2004 年度 実績報告書

ハブ毒蛋白を用いた悪性脳腫瘍治療応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16591449
研究機関琉球大学

研究代表者

吉井 與志彦  琉球大学, 医学部, 教授 (50110507)

研究分担者 斉藤 厚志  琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (40305199)
土田 幸広  琉球大学, 医学部, 助手 (90363663)
野崎 真敏  沖縄衛生環境研究所, 研究部長
キーワードOHAP-1 / ハブ毒素 / P53野生株 / アポトーシス / MTT / P53変異株
研究概要

目的:ハブ毒素より抽出されたOHAP-1を用い、p53 statusの異なる悪性神経膠腫細胞株に対する増殖抑制効果を検討した。対象及び方法:悪性神経膠腫細胞株は、p53野生株としてA172,U87MG,p53変異株としてU251MG,T98Gを用いた。継代培養を行い、実験は対数増殖期にある細胞を用いて行った。OHAP-1の悪性神経膠腫細胞に対する増殖抑制効果をMTT assayにより評価した。OHAP-1の最終濃度は0,2.5,5,10ug/mlで検討した。96穴のマイクロプレートに1穴あたり5000個の細胞をまき、24時間後にそれぞれの濃度になるようOHAP-1を加え、24,48,72,120、144時間後にMTT assayを行った。結果:p53変異の有無にかかわらず、すべての細胞株において濃度依存性に腫瘍細胞の増殖抑制効果が認められた。OHAP-1添加後144時間での各細胞株における増殖抑制効果は、コントロールにくらべそれぞれA172では96%、U87MGでは65%、U251MGでは89%、T98Gでは95%であった。考察:OHAP-1はハブ毒から抽出された分子量55kDのタンパク質であり、培養悪性神経膠腫細胞に対してアポトーシスを誘導することが示されているが、p53の変異の有無とアポトーシスとの関連性に関しては不明である。アポトーシスにはp53が深く関わっており、p53が変異を起こしていると正常のアポトーシスが誘導されず、治療抵抗性になるという報告もある。悪性神経膠腫では60〜70%でp53が変異を起こしているといわれ、それが治療抵抗性の1つの原因と考えられている。今回の実験では無が判明している4種類の悪性神経膠腫細胞株を用いてOHAP-1の増殖抑制効果を検討した。各細胞株で多少のばらつきはあるがOHAP-1はp53の変異の有無にかかわらず濃度依存性に細胞増殖抑制効果を示した。これは、今まで治療抵抗性とされてきたp53変異腫瘍に対しても効果があるということで、今後はOHAP-1投与後増殖抑制効果のメカニズムについて研究を進めていく。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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