研究概要 |
1.ラット脳挫傷モデルの作成 ハロセン麻酔下に雄Wistarラット(n=22)を脳手術装置に固定して頭頂葉にControlled Cortical Impact Deviceを用い、脳挫傷を作成した。Bregmaの後方2.5mm、正中より外側3.0mmの位置に小開頭を行い打撃速度、変形深度を一定にして脳損傷をくわえることにより脳挫傷を作成した。一部のラットに大腿動脈からカニュレーションを行い、physiological parameterの測定をおこなうとともにH-E染色にて挫傷脳の組織学的検討をおこなった。 2.血液脳関門透過性の評価 脳挫傷作成後3,6,12,18,24時間後の受傷側半球からのエバンスブルーの漏出をmicroplate-fluorescence readerを用いて測定した。Sacrificeの2時間前に大腿静脈より2%エバンスブルー4ml/kgを投与し、それぞれのタイムポイントでハロセン麻酔下に開胸し、PBSで十分潅流した後に半球に分けて摘出した。冠状断で損傷部を観察するとエバンスブルーの漏出は挫傷脳皮質のみならず、直下の海馬にまでおよんでいた。Sham control群(18.6+28.8mg/g tissue)と比較し、作成3時間後よりエバンスブルーの漏出は認められ、6時間後でピークとなった(154.8+22.4)。エバンスブルーの漏出は受傷24時間でも認められた。これらの結果は過去に報告された研究結果と一致していた(Baskaya MK, Rao AM, Dogan A et al. Neurosci Lett 226, 33±36(1997))。
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