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本年度の研究目的はラットにVitamin D(1α水酸化ビタミンD)を投与し、その筋力・筋疲労に対する作用を検討することである。
対象はWistar系雌ラットの7ヶ月齢を用いた。これらをVitamin D投与群(n=6)とVehicle投与群(n=6)の2群に分け、Vitamin Dとして1α(OH)D 0.1μg/mlを、またvehicleとしてトリグリセリドを同量、4週間連日投与した。
計測はネンブタール腹腔内注射による全身麻酔下に施行した。ラット右脚のアキレス腱を踵骨付着部で切離し、その断端を自然長でトランスデューサーに接続する。膝関節は伸展位としキルシュナー鋼線で固定した。ついで殿部で坐骨神経を露出し、電気刺激を行うことにより筋力を計測した。坐骨神経を刺激して強縮させ、4秒間の刺激の後、15秒間の間隔を置いて次の刺激を繰り返した。合計20回の刺激を行い、各回の最大張力を計測した。また各回と初回の最大筋力との比で筋疲労を評価した。
投与期間中、Vehicle群で体重はほぼ変化がなかったのに対し、Vitamin D群はVehicle群と比べやや減少していたが、有意差は認められなかった。
各回の最大張力では、初回から20回日まで、Vitamin D投与群でvehicle投与群に比べ張力が大きい傾向にあったが(初回最大張力Vitamin D群519.7±56.3、Vehicle群479.8±58.9)、有意差は見られなかった。
疲労は初回張力に対しての百分率で評価した。これまでにVitamin Dと筋疲労についての報告は見られないが、今回の研究では、いずれの刺激回数においてもvehicle群とVitamin D群の間に差は見られなかった。
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