研究課題/領域番号 |
16591474
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉永 勝訓 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (30270870)
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研究分担者 |
山崎 正志 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50281712)
大河 昭彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30312945)
出澤 真理 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50272323)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 脊髄損傷 / 細胞移植療法 / 骨髄間質細胞 / Schwann細胞 / 軸索再生 |
研究概要 |
目的:脊髄損傷に対するヒト骨髄間質細胞由来Schwann細胞移植の有効性について、臨床における脊髄損傷に類似した組織像を示し脊髄損傷研究の分野では世界的にほぼgolden standardになっているNYU impactorを用いたラット脊髄圧挫損傷モデルをもちいて検討することを目的とした。 方法:整形外科手術中に余剰の骨を採取し(倫理委員会承認済み)、培養皿に付着性の骨髄間質細胞(hBMSC)を培養。出澤の方法(Dezawa,2001)にてSchwann細胞へ誘導した(hBMSC-SC)。Wistarラット胸椎椎弓切除し、NYUインパクターにて脊髄圧挫損傷モデルを作成した。hBMSCまたはhBMSC-SCをマトリゲルに混和し脊髄損傷部にそれぞれ注入移植した。コントロールとしては、マトリゲルのみを注入した。すべての群で免疫抑制剤を投与した。移植後時間経過を追ってBBB locomotor scale(Basso et al.1995)を用い行動学的評価を行った。脊髄を摘出して凍結切片を作成、組織学的・免疫組織学的検討を行った。 結果:hBMSC・hBMSC-SCの両者とも、移植群においてはコントロールに比して有意な後肢運動機能回復がみられた。組織学的には、hBMSCまたはhBMSC-SC移植群ではコントロールと比較して脊髄損傷部の空洞形成が有意に抑制されていた。免疫組織学的検討にてhBMSCまたはhBMSC-SC移植を受けたラットでは下降性軸索のマーカーであるtyrosin hydroxylaseやserotoninに陽性を示す線維が特に損傷部尾側で有意に多かった。 考察:HSC・BMSCはいずれも脊髄損傷に対して有効であった。さらに、ヒト臍帯血由来造血幹細胞・ヒト骨髄間質細胞の脊髄損傷に対する有効性も確認された。以上より、BMSC-SCは脊髄損傷に対する細胞移植療法のソースとして有望であると思われる。
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