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2005 年度 実績報告書

滑膜肉腫に対する分子標的治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16591487
研究機関京都大学

研究代表者

中山 富貴  京都大学, 医学研究科, 助手 (80335273)

研究分担者 戸口田 淳也  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (40273502)
キーワード滑膜肉腫 / 線維芽細胞増殖因子 / 分子標的治療
研究概要

5種のヒト滑膜肉腫細胞株において滑膜肉腫にFGF2、8、9、11、18が発現しており、FGF受容体ではFGFR1、FGFR2C、FGFR3、FGFR4が滑膜肉腫細胞すべてにおいて発現していた。FGF8を培養細胞に添加するとMAPKシグナル伝達分子のERK1/2、p38MAPKのリン酸化が誘導され、細胞増殖が刺激された。FGF受容体の特異的阻害剤であるSU5402を培地中に添加すると5種の滑膜肉腫細胞株のすべてで用量依存的に細胞増殖の指標であるBrdUの取り込みが低下し、この増殖抑制効果は悪性神経症種、線維肉腫、骨肉腫など他の肉腫細胞に比較して強かった。またSU5402により細胞内のERK1/2のリン酸化が抑制されていたが、p38のリン酸化は変化していなかった。細胞周期解析ではG1期細胞周期停止が誘〓されていた。造腫瘍性の高いSYO-1をヌードマウス背部皮下に接種し腫瘍を形成させFGF受容体阻害剤であるPD166866を腹腔内に投与すると、用量依存的に生体内での増殖抑制効果が認められた。またこの時腫瘍内ERK1/2のリン酸化が低下しており、腫瘍増殖マーカーであるPCNAの発現が低下している事を確認した。これらの事からFGFシグナルは滑膜肉腫の増殖に一定の役割を果たしており、このシグナル伝達を阻害することにより滑膜肉腫の増殖が抑制可能であることが明らかになった。FGFシグナル阻害剤が滑膜肉腫の治療薬として実用化される可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Disruption of fibroblast growth factor signal pathway ihhibits the growth of synovial sarcomas : potential application of signal inhibitors to molecular target therapy2005

    • 著者名/発表者名
      Ishibe T, Nakayama T, Okamoto T, et al.
    • 雑誌名

      Clinical Cancer Research 11(7)

      ページ: 2702-2712

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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