研究課題/領域番号 |
16591489
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西井 孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70304061)
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研究分担者 |
田中 正夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40163571)
黒田 輝 東海大学, 電子情報学部情報科学科, 助教授 (70205243)
菅野 伸彦 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70273620)
三木 秀宣 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (10335391)
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キーワード | MRI / 関節軟骨 / 成分分析 |
研究概要 |
変形性関節症における早期軟骨障害の非侵襲的評価法の開発と臨床的有用性の評価および適切な薬物学的・運動療法学的治療法の効果判定への有効性検証のため、必要な機器の作成と最適調整、関節軟骨画像情報化のためのコンピュータプログラム開発、摘出関節軟骨標本での関節軟骨の成分分析学的評価とMR画像情報との関連性に関する基礎的研究を以下のようにおこなった。 1.成人の膝・股関節部位の関節軟骨撮像を目的として、3テスラー超高磁場MRIの磁場強度に対応する共鳴周波数に調整されたRFコイル(プローブコイル)の製作をおこなった。RFコイル形状は、股関節用はヘルムホルツ(Helmholtz)型コイル、膝用はバードケージ(Birdcage)型コイルとした。コイル開発後、電磁場による生体の温度上昇・神経刺激誘発性などの安全性の確認し、人体に使用可能であることを確認した。 2.MRI画像情報から、コンピュータ上でインタラクティブに計算対象領域を選択し軟骨部画素単位でのT2緩和時間パラメータを計算、パラメータ値をファイル化するとともにMRI実画像にパラメター値をカラーコンター表示できるコンピュータプログラムを開発し、以後の基礎的・臨床的研究に応用した。 3.ヒト摘出骨頭より関節軟骨プラグ標本を作製、薬剤処理により擬似的軟骨障害標本を調整し3テスラー超高磁場MRI撮影後、軟骨成分分析を行いMRIパラメータとの関連性を検討した。軟骨内基質情報はT2パラメーターに反映され、水分含有量やプロテグリカン量に比し、コラーゲン量をもっとも相関がみられた。 以上より、超高磁場MRI評価によりコラーゲンを中心とした関節軟骨変性変化の的確な早期診断が可能と判断され、今後T2時間分布評価によ.り正常・障害患者間での軟骨成分の特性、各治療法の効果判定などに関する臨床症例研究をすすめてゆく予定である。
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