研究課題/領域番号 |
16591489
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西井 孝 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70304061)
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研究分担者 |
黒田 輝 東海大学, 電子情報学部・情報科学科, 助教授 (70205243)
菅野 伸彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70273620)
三木 秀宣 独立行政法人国立病院機構, 大阪医療センター・臨床研究部, 医師 (10335391)
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キーワード | 細胞・組織 / 画像解析 / 変性疾患 / 臨床 / 治療評価 |
研究概要 |
前年度までに開発を終了した3T-MRIに対応した膝関節用RFコイルおよび関節軟骨T2緩和時間解析ソフトウエア、さらに本年度に開発したMRI対応膝関節荷重負荷デバイスを用いて、正常ボランチアと患者症例によるMRI関節軟骨評価の臨床研究を行い、股関節・膝関節の関節軟骨MRパラメータの正常・疾患データベースの構築をおこなった。 1.股関節軟骨パラメータのデータペース 正常ボランチア9例および臼蓋形成不全を有する変形性股関節症患者14例の股関節臼蓋・骨頭軟骨のT2緩和時間分布解析をおこなった。正常関節軟骨では、臼蓋・骨頭軟骨とも荷重部を中心に基底部の低T2値から表層部の高T2値へのT2時間傾斜パターンを全例で認めた。前関節症患者の臼蓋軟骨は低T2時間一様性分布を44%に、初期関節症患者の臼蓋軟骨は低T2時間一様性分布を50%と高T2時間一様性分布を50%に認めた。臼蓋軟骨T2時間分布評価は、正常と早期関節症症例で有意に異なるパターンを示すことが明らかとなり、T2時間パラメータ評価は鋭敏な変性評価の指標となりうることが示された。 2.膝関節軟骨パラメータのデータペース 荷重状態を想定したMRI対応膝関節荷重負荷デバイスを開発し、正常膝関節軟骨における荷重負荷のT2時間パラメータの変動データベースを構築した。正常ボランチア13例において、負荷デバイスを用い体重の50%の荷重負荷あり・なしでの膝関節大腿骨・脛骨関節軟骨T2時間分布評価をおこなった。大腿骨・脛骨関節軟骨とも基底部の低T2値から表層部の高T2値へのT2時間傾斜パターンを全例で認めた。荷重負荷により、大腿骨関節軟骨の半月板非被覆領域と、脛骨関節軟骨の半月板被覆領域および非被覆領域で、T2時間の有意な低下を認めた。低下の程度は被実験者BMI・年齢には関連性はなかった。荷重負荷下MRI評価の開発により、関節軟骨の変性変化にともなうメカニカルストレスに対する反応性低下を、荷重負荷にともなうT2時間変化により鋭敏に評価するシステムの構築が可能となった。
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