研究課題/領域番号 |
16591491
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
下瀬 省二 広島大学, 病院, 助手 (30304439)
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研究分担者 |
越智 光夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70177244)
安永 裕司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40253075)
坂井 昇 広島大学, 病院・講師 (70284221)
久保 忠彦 広島大学, 病院・医員
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キーワード | 骨肉腫 / ビスフォスフォネート / アポトーシス / 細胞周期 / 腫瘍細胞浸潤抑制 |
研究概要 |
【目的】研究1年度は磁気ターゲッティングを用いた動物実験の予備実験として、新規第三世代ビスフォスフォネート、minodronateの骨肉腫細胞に対する抗腫瘍効果、転移抑制能を検討した。 【方法】薬剤は第三世代ビスフォスフォネート;minodronate、incadronate(山之内製薬)を使用した。対象としてヒト骨肉腫細胞Saos-2、MG-63およびヒト軟骨肉腫細胞SW1353、OUMS27を使用した。腫瘍増殖抑制効果:種々の濃度の薬剤投与72時間後,細胞毒性試験(WST-8アッセイ)を行った。アポトーシス細胞と細胞周期は染色後フローサイトメトリーで観察した。腫瘍浸潤抑制効果:薬剤投与72時間後、Bio-Coat invasion chamber systemsを用い評価した。マトリゲル基底膜マトリックスでコートされたメンブレンを浸潤しchamber内を移動した腫瘍細胞数をカウントし、コントロール(未治療)と比較した。 【結果】2種類のビスフォスフォネートとも全ての腫瘍細胞に対し濃度依存性の腫瘍増殖抑制効果がみられた。特に、minodronateは強力な抗腫瘍効果を示し、S期停止とアポトーシスを誘導していた。Minodronatは低濃度で骨肉腫、軟骨肉腫の細胞浸潤を有意に抑制していた(p<0.01)。 【考察】骨吸収抑制薬として臨床使用されているincadronateに骨肉腫、軟骨肉腫細胞への直接的抗腫瘍効果が証明された。従来のビスフォスフォネートに比べ非常に高い骨吸収抑制効果があるminodronateは、骨肉腫、軟骨肉腫細胞に対しても強力な抗腫瘍効果、転移抑制効果がみられた。本研究の結果よりminodronateは有用な骨肉腫、軟骨肉腫治療のアジュバントになりうると考えられた。
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