研究課題/領域番号 |
16591495
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
加藤 真介 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (30243687)
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研究分担者 |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
松井 好人 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80335348)
東野 恒作 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80380129)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 腰部脊柱管狭窄症 / 黄色靭帯 / 弾性線維 / 線維化 / 軟骨化生 / 肥厚 |
研究概要 |
手術時に摘出した腰部脊柱管狭窄症(LSS)の黄色靭帯を腰椎椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍の手術時に摘出した対照の分析を行った。まず、組織学的検討の結果明らかになったことは、(1)黄色靭帯のうち硬膜側の部分の弾性線維には大きな変化は無いこと、(2)背側の黄色靭帯には線維化が著しいこと、(3)背側の黄色靭帯のうち尾側の椎弓付着部では軟骨化生が生じていることなどである。 このうち(1)について詳細に検討を進めるとLSSでは軽度の肥厚が起こっていることがわかった。さらに、mRNA発現も増加していることが明らかになった。(2)についてはLSSの主病態の一つである黄色靭帯肥厚の中心であることが分かった。(3)についてはトルイジン青に異染性を示し、また軟骨様細胞が認められた。この細胞周囲ではII型コラーゲンが存在していた。さらに、軟骨分化に関与するBMP-2,TGF-β、GDF-5に対して免疫陽性反応を示す細胞が層状に分布していることが明らかとなった。さらに、同様の検討を高齢者の肥厚していない黄色靭帯で行うと、同様の反応はみられるものの遥かに出現範囲、程度は少なかった。 これらの変化は、椎間板高の減少、椎間不安定性などのレントゲン上の所見とは相関しなかった。 以上より、LSSにおける黄色靭帯の肥厚は、黄色靭帯のうちでも背側の部分の線維化・肥厚が主病態であること、椎弓付着部で起こる軟骨化生は通常の骨化過程と類似した過程を示すが骨化には至っていないことが明らかになった。
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