研究課題
基盤研究(C)
Galanin-like peptide (GALP)はオーファン受容体のリガンド探索から見つかった新規ペプチドで、脳内の視床下部弓状核と下垂体後葉に分布するが、慢性関節炎との関連についての知見はない。そこで今回は、GALPを中心に慢性ストレス、特に関節炎への関与を探ることを主目標として研究を行った。中でも、視床下部-下垂体系において、急性ストレス刺激(浸透圧およびLPS)によるIEGsおよびGALP遺伝子発現、および慢性炎症ストレス刺激(アジュバント関節炎)によるGALP遺伝子発現を調べた。その結果、弓状核ニューロンにおけるGALP遺伝子発現はレプチン依存的であるが、インスリン投与による血糖調節がその発現に影響を与えていること、下垂体後葉細胞におけるGALP遺伝子発現には浸透圧変化が関与する可能性があること、慢性炎症ストレスでは弓状核ニューロンにおけるGALP遺伝子発現が増加し、その発現にはプロスタグランジン系が関与する可能性があることなどを明らかにした。古来より、RA患者においては、特徴的な関節の変形や炎症性変化以外に、慢性炎症ストレスのため様々な中枢性変化をきたすことが知られている。RAで起こる様々な生理反応の機序は未だ不明な点が多いが、GALPの遺伝子発現を起点として末梢の慢性炎症性疾患であるRAの病態に、中枢神経系、特に視床下部がどのように関与しているかについて今後さらに検討する必要があると考える。
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