研究概要 |
ウィスター系雄性ラットをハロタンで麻酔した後、右中大脳動脈閉塞を2時間施行し、その後血流を再開させることで、虚血・再灌流モデルを作成した。以前の研究でヒスチジン(1000mg/kg)を血流再開直後および6時間後の2回の腹腔内投与が虚血性脳障害に対し有効であることがわかった。今回はヒスチジンとヒスタミンH3拮抗剤(チオピラミド)もしくはHMT阻害剤(メトプリン)の併用により、ヒスチジンの投与回数および投与量を低減できるかを検討した。実験1ではヒスチジン(200mg/kg、500mg/kg,1000mg/kg)とチオピラミド(5mg/kg)を血流再開直後に、腹腔内投与および皮下投与し虚血性脳障害を軽減するかを検討した。血流再開より24時間後にTTC染色で脳組織を観察した。実験2ではヒスチジン(200mg/kg、500mg/kg,1000mg/kg)とメトプリン(10mg/kg)を血流再開直後に、腹腔内投与および皮下投与し虚血性脳障害を軽減するかを検討した。血流再開より24時間後にTTC染色で脳組織を観察した。実験3ではヒスチジン(200mg/kg、500mg/kg)とチオピラミド(5mg/kg)、メトプリン(10mg/kg)を血流再開直後に、腹腔内投与および皮下投与し虚血性脳障害を軽減するかを検討した。これらの実験よりヒスチジン(1000mg/kg)とチオピラミド(5mg/kg)、ヒスチジン(1000mg/kg)とメトプリン(10mg/kg)、ヒスチジン(500mg/kg)とチオピラミド(5mg/kg)、メトプリン(10mg/kg)の投与が生食投与群と比較して梗塞範囲を有意に減少させ、虚血性脳障害に対し有効であることがわかった。以上のことより、ヒスチジンの投与回数および投与量はヒスチジンとヒスタミンH3拮抗剤もしくはHMT阻害剤を併用することより低減できることが示唆された。
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