研究分担者 |
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 講師 (30335286)
加藤 綾子 東京電機大学, 理工学部, 助手 (30318159)
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
河端 恭代 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (70347467)
田中 義文 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (50079935)
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研究概要 |
瞳孔径が麻酔深度や疼痛により自律神経介在ニューロンにより制御されることはすでに明らかにされているが、麻酔深度、覚醒や疼痛に対する、上位中枢も含めた瞳孔径変化のメカニズムの詳細は明確ではなく、その臨床的応用は限られている。近年、瞳孔は光,その他の刺激がない場合にも変動することが知られ,こうした瞳孔の「ゆらぎ」は中枢性であると考えられ、交感神経による介在が示唆されているが,現在のところ,明確な瞳孔のゆらぎの機構は解明されていない。本研究は,浅麻酔〜覚醒領域での視床、視床下部等を含めた上位中枢活動を自律神経活動介して、高時間・高空間分解能な非装着型瞳孔径を用いて、瞳孔ゆらぎから捉えることを目的とする. 平成16年度は,健常者における断眠ストレス負荷下,及び,健常者における情動負荷テスト下の瞳孔ゆらぎ計測を施行した.その結果,断眠負荷状態においては,瞳孔ゆらぎ変動量が断眠開始からの時間に伴って増大することが示された.この時の瞳孔ゆらぎの周期は約1Hzであった.情動負荷テストでは,瞳孔ゆらぎに関しての有意な変化は認められなかった.現在,麻酔覚醒過程の瞳孔変動計測を麻酔薬(静脈麻酔薬:プロポフォール、揮発性麻酔薬:セボフルラン等)による差異も含めて検討している。瞳孔パラメータ計測と同時に並行して,心拍数、血圧、体温等の一般的循環動態の計測、心拍数変動(システム本体既存),及び,脳波解析(システム本体既存),更に大脳皮質の覚醒度の評価として、記憶、健忘効果,認知能力についても検討中である。今後,瞳孔計測データ解析を、これら脳波から得られる情報、心拍変動からみた自律神経活動、更に短期記憶,認知能力と併せて統合的に解析し、覚醒と瞳孔変動について解析検討する予定である。
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