研究概要 |
コデイノンによるヒト口腔扁平上皮癌(HSC-2 Cell)の細胞傷害効果について検討する。細胞培養はMTT法で測定する。 1)コデイノンでhormesis(低濃度で増殖促進、高濃度で増殖抑制)が起こるか否かについて検討する。 結果コデイノンはhormesisを起こさない。 2)コデイノンによるHSC-2 Cellにおけるアポトーシスおよび非アポトーシスの誘導について検討する。アポトーシス誘導はDNAの断片化(アガロースゲル電気泳動により検出)、Caspase3,8,9の活性化(基質の切断活性により測定)を指標として判定する。 結果 HL-60;コデイノン単独効果Caspase 3活性はpositive controlのAct, Dよりも弱い。Cas8,9活性はない。しかしDNA断片化は起こる。HSC-2;Caspase 3活性はpositive controlのAct.Dと比較しほとんど起こらない。Caspase8,9活性はない。これは、DNA断片化が起こらなかったのと一致する。 3)さらに、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)との比較検討など細胞種により細胞死の形態が異なることが明らかとされているので、コデイノンの細胞傷害活性に影響を与える物質の検索をおこない、HSC-2でHL-60比較検討する。臨床で使用されている抗がん剤(5-FU, cisplatin, doxorubicin, methotrexate)、その他、抗酸化剤(NAC, VC, EGCG)含め、9種の薬剤を添加し、細胞傷害活性を調べる。 結果 NACのみがコデイノンの作用を抑制した。他の抗がん剤、抗酸化剤に関しては、相乗的な増殖阻害効果は無かった。
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