Lipopolysaccharide(LPS)により誘導されたラット敗血症モデルを用い、早期よりフリーラジカル捕捉剤を投与することで敗血症の心機能を改善可能であるか、また炎症性サイトカインの産生を抑制するかを評価した。 ラット20匹(Wister系ラット雄330〜360g)を、pentobarbita1麻酔下に内頚動静脈にカニュレーションし、圧センサー付コンダクタンスカテーテルを挿入した。また、カテーテルより生理的食塩水を10ml/kg/hrで投与を開始した。その後、lipopolysaccharide(LPS)10mg/kgを静注し、nicaraven 3mg/kg/hr投与群、生食投与群の2群に無作為に分け、カテーテルから投与した。心機能の測定は、LPS投与後、1時間ごとに6時間行なった。また、LPS投与前、LPS投与後2時間ごとに計4回採血を行った。TNF-α、ILl-β、MIFはELISA法を用い検量した。統計学的解析は反復測定分散分析を用いpく0.05を有意差ありとした。 結果として、nicaraven投与群は、心拍出量、駆出率、Cardiac elastance、は有意に高く維持された。また、末梢循環の指標である血中乳酸値も有意に改善された。また、TNF-α、ILl-β、MIF血清濃度はnicaraven投与群で生食投与群に比較しLPS投与4時間後から有意に低く維持された(p<0.01)。これらの結果から、フリーラジカル捕捉剤nicaravenは、敗血症モデルの心機能を改善するだけでなく、炎症性サイトカインの産生を抑制した。
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