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2005 年度 実績報告書

慢性疼痛発症の中枢内メカニズムに対する鎮痛薬の影響

研究課題

研究課題/領域番号 16591565
研究機関東京医科大学

研究代表者

北村 泰子  東京医科大学, 医学部, 講師 (20096978)

研究分担者 山田 仁三  東京医科大学, 医学部, 教授 (60009644)
キーワード慢性疼痛 / 幻肢痛 / C-fos細胞 / ラット / 腰髄 / 帯状回
研究概要

慢性疼痛の一つに幻肢痛があり、その原因の一つに神経引き抜きがある。慢性疼痛のモデルとして、全身麻酔および局所麻酔をしたラットの左側大腿部を切開して坐骨神経を切断して飼育した。今回、慢性疼痛に対するモルヒネの影響を検索するためにC-fos様蛋白質産生細胞(C-fos細胞)について帯状回および腰髄で検索をした。なお,これまでの坐骨神経を切断した実験において,C-fos細胞数が最も多く出現した生存期間は5日であった。
そこで,今回の実験は生存期間を5日とした。(1)モルヒネ(2mg/day)入り飼料を与えた例、(2)皮膚を切開して坐骨神経を剖出した後に上記飼料を与えた例、(3)坐骨神経を切断後に上記飼料を与えた例、いずれの実験例のラットも深麻酔の元で灌流固定をして、摘出した脳および腰髄を凍結切片にして型通りC-fos様蛋白質を呈色した。その後、帯状回および腰髄において出現したC-fos細胞を描画装置を用いて描いてC-fos細胞を数えた。
その結果、モルヒネを投与すると、帯状回においては坐骨神経を切断してもC-fos細胞数に多少の増減はあったが、余り変化がなかった。また、腰髄ではどの層もモルヒネを投与するとC-fos細胞数が減少したが、坐骨神経切断後の投与では若干増加した。しかし、これまでの坐骨神経を切断後に普通の飼料を与えた例と比較するとモルヒネを投与した切断例では帯状回および腰髄ともC-fos細胞数の増加はわずかであった。したがって、モルヒネは帯状回および腰髄ともに坐骨神経切断によって出現するC-fos細胞数の増加を抑制していることが分かった。
このことは、モルヒネが帯状回および腰髄の細胞に作用して、慢性疼痛発現を抑制していることを示唆している。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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