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2004 年度 実績報告書

肺血管リモデリング防止をめざした核酸医薬による肺高血圧治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16591566
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

上園 晶一  東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (10291676)

研究分担者 小田 秀明  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40214142)
近藤 泉  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80170421)
山縣 克之  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10328461)
キーワード肺高血圧 / 核酸医薬 / モノクロタリン / NF-κB / リモデリング / 炎症
研究概要

本研究では、「モノクロタリンを用いた実験的肺高血圧ラットモデルにおいて、炎症反応をつかさどる核内転写因子NF-κBを阻害すれば、肺血管リモデリングを阻止し、肺高血圧への進展を防ぐことができる」という仮説を検証した。核内転写因子を阻害するために、NF-κBに対するおとり型核酸医薬(デコイ)を、HVJ-Eベクターによって細胞内に導入し、遺伝子発現レベルで特異的に抑制する方法を用いた。実験の結果、以下の結論を得た。
1.幼若(生後3週)ラットに、モノクロタリンを投与すると、3週間後に、平均肺動脈圧50mmHg程度で、肺血管閉塞病変を伴う高度の肺高血圧を呈するようになる。
2.NF-κBデコイ投与をモノクロタリン2日前と直前の2回投与した群においては、肺高血圧や肺血管閉塞病変の程度が、コントロール群と比較して有意に減弱した。
3.一方、NF-κBのスクランブルデコイ投与群においては、肺高血圧や肺血管閉塞病変の程度は、コントロール群と比較して変化しなかった。
4.同様の傾向が、体重増加率や体血管圧でも観察された。
以上より、NF-κBデコイは、モノクロタリン誘発肺高血圧の治療に有効であると結論した。
この実験の結果は、肺血管閉塞病変をともなう肺高血圧の病態生理において、肺血管における炎症反応が重要な役割を果たしており、炎症反応を抑制することが、肺血管リモデリングの進展を阻止するという点で、治療のターゲットになりうる、ということを示唆すると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Nuclear factor kappa B decoy attenuates monocrotaline induced pulmonary hypertension and neointimal formation in young rats2004

    • 著者名/発表者名
      Hotta Y, et al.
    • 雑誌名

      Anesthesiology 101

      ページ: A429

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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