研究課題/領域番号 |
16591567
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
倉田 二郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50349768)
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研究分担者 |
尾崎 眞 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30160849)
三橋 紀夫 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20008585)
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キーワード | 疼痛 / 末梢神経 / 正弦波電気刺激 / 機能的磁気共鳴画像法 / 疼痛関連脳活動 / プロポフォール |
研究概要 |
我々は、2000、250、または5Hzの正弦波電気刺激により末梢神経のAβ、Aδ、またはC線維を選択的に刺激する装置(Neurometer【○!R】、東洋メディック、東京)を用いて、1人の健康ボランティアの左前腕腹側に5Hz正弦波電気刺激により体性疼痛刺激を与え、痛みスコア(visual analogue scale : VAS ; 0-10cm)が5または7を示す電流の強さを求めた。 続いて、絶食した同じ被験者に末梢静脈路を確保し、MRIスキャナー(Vision、1.5テスラ、Siemens、Germany)中に入ってもらった。心電図・間接血圧計・パルスオキシメーターでバイタルサインをモニターしつつ、目標血中濃度が0、1.5、2.4μg/mlになるようにプロポフォールを投与し、それぞれ覚醒、鎮静、催眠状態を得た。各プロポフォール濃度が安定した間に、左前腕にVAS=5および7の強さの疼痛刺激を上記の方法で、30秒おきに30秒ずつ3回繰り返して与えた。同時に、下記のパラメーターを用いて機能的磁気共鳴画像法(fMRI)、特に高速エコープラナー法で全脳撮影を行った。撮像パラメーターは次のようであった:TR=3000ms;TE=50ms;flip angle=90;matrix=64x64;field of view=240x240mm;slice thickness=1mm、gap=0.99mm;16axial slices.得られた機能画像を、Linux PCシステム・ソフトウェアMatlabおよびMEDxを用いて統計解析した。多重比較後にp<0.05の有意さを以てfMRI信号変化を呈したvoxelを、疼痛刺激による脳賦活化部位とした。 その結果、疼痛刺激に対応して、前帯状皮質、前頭皮質、島皮質、第二次感覚皮質、小脳に疼痛関連脳活動を観察した。これらの脳活動は、鎮静・催眠状態になるに従って減衰した。現在、ソフトウェアBrain Voyager QX(BrainInnovation、Netherland)を用いて、プロポフォールによる疼痛関連脳活動変化、特にconnectivityの変化について、さらに詳細に解析中である。
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