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2005 年度 実績報告書

ヒスタミン感受性ニューロンの機械的、化学的、熱刺激に対する応答とそれらの受容体

研究課題

研究課題/領域番号 16591573
研究機関関西鍼灸大学

研究代表者

樫葉 均  関西鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (10185754)

研究分担者 大島 稔  関西鍼灸大学, 鍼灸学部, 助手 (20342230)
キーワードヒスタミン / H1受容体 / 一次感覚ニューロン / 脊髄後角ニューロン / パッチクランプ法 / 神経ペプチド
研究概要

ヒスタミンの受容体にはH1、H2、H3、H4受容体の四種類がある。発痒物質としてのヒスタミンの作用は、感覚神経終末に存在するH1受容体を介することが示唆されており、この感覚は伝導速度の遅い一次感覚ニューロンにより中枢に伝えられる。しかしながら、どの様な一次感覚ニューロンがヒスタミンに感受性を示し、その情報がどのようなルートで体性感覚野に伝えられるのか、不明な部分も多い。これまで我々は、モルモットやラットの感覚神経節においてISH法、免疫組織化学法、RT-PCR法を駆使し、H1受容体もしくはそのmRNAを発現するニューロンについて検討を進めてきた。今年度は、ラット脊髄の新鮮スライスを用いたパッチクランプ法により解析を進めた。ラットにおいてH1受容体を発現している感覚神経は興奮性神経ペプチドであるSPやCGRPを含有しているものとしてないものがある。SPやCGRPをスライスに作用させると後角深層(III〜VI層)のニューロンの約半数においてゆっくりしたinward currentが観察される。これらの応答は、神経ペプチドが直接記録するニューロンに作用したものと考えられる。これらのペプチド(SP/CGRP)に応答する後角表層(I〜II層)のニューロンは今のところ見つかっていない。一方、ヒスタミンの投与によってEPSCが増加するニューロンが観察された。これらのニューロンは非常に数が少なく、やはり深層のニューロンであった。このEPSCが増加する膜電位変化は、投与したヒスタミンが一次感覚ニューロンからのグルタミン酸の放出を促し、記録するニューロンに作用したものと考えられる。この時、前述した興奮性神経ペプチドに見られるゆっくりしたinward currentを観察することはできなかった。今後更にデータを蓄積し、ヒスタミンに応答するニューロンの解析を進めなければならないと考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of histamine H1 receptor in rat sensory ganglion neurons : Comparison with guinea pigs2005

    • 著者名/発表者名
      Kashiba H, Uchida Y, Ohshima M, Takeda D
    • 雑誌名

      The Japanese Journal of Physiology 55

      ページ: S162

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 疼痛の発症機序・基礎医学の立場から セミナー:ここまでわかった鍼灸医学-基礎と臨床の交流-2005

    • 著者名/発表者名
      樫葉 均
    • 雑誌名

      全日本鍼灸学会雑誌 55

      ページ: 369

  • [雑誌論文] Pomeranzの鍼麻酔に関する論文の再検証:鍼麻酔のエンドルフィン仮説はどの様な実験から導き出されたか?2005

    • 著者名/発表者名
      松下沙綾香, 樫葉均
    • 雑誌名

      全日本鍼灸学会雑誌 55

      ページ: 443

  • [雑誌論文] ヒスタミンH1受容体のラットとモルモットの感覚神経における発現の違い2004

    • 著者名/発表者名
      樫葉 均
    • 雑誌名

      第14回国際痒みシンポジウム 14

      ページ: 20-25

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] Handbook of Chronic Pain Section 2. Biochemical Basis of Nociception : The Role of Cytokines2006

    • 著者名/発表者名
      Senba, Imbe, Kashiba
    • 出版者
      Nova Science Pub Inc(in press(April))

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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