研究課題/領域番号 |
16591574
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
相原 啓二 産業医科大学, 大学病院, 講師 (70258622)
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研究分担者 |
南 浩一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (70279347)
上園 保仁 長崎大学, 大学院医歯薬総合研究科, 助教授 (20213340)
松井 稔 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50282611)
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 教授 (60128030)
白石 宗大 産業医科大学, 医学部, 助手 (40389458)
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キーワード | エンフルレン / イソフルラン / トラマドール / 痙攣 / 5HT_<2C>受容体 / アフリカツメガエル卵母細胞 / トラマドール代謝産物M1 / 燐酸化酵素 |
研究概要 |
エンフルレンなどの麻酔薬やトラマドールなどの痙攣誘発はよく知られているが、これらの原因について詳しい結論は見られていない。しかし、最近セロトニン受容体のサブタイプである5HT_<2C>受容体が痙攣に密接に関係していることが報告され、これらに対する麻酔薬、鎮痛薬、局所麻酔薬の作用がどうなのか興味がもたれるところであるが、これらの5HT_<2C>受容体への作用はまったく報告されていない。今回の研究においては麻酔薬、鎮痛薬の痙攣誘発機序解明を行う目的でアフリカツメガエル卵母細胞系を用いて以下の研究を行った。吸入麻酔薬(エンフルラン、イソフルラン)が5HT_<2C>受容体にいかに作用するかを検討した。その結果、エンフルラン、イソフルランは、5HT_<2C>受容体を抑制する結果を得た(論文作成中)。これらの抑制機序については、現在まで、麻酔薬やアルコールはProtein Kinase C(PKC)をはじめとした燐酸化酵素を介してG蛋白結合受容体を抑制していることが明らかとなっているので、5HT_<2C>受容体においても燐酸化酵素が何らかの作用を及ぼしているのかどうか検討中である。もしそうであれば、5HT_<2C>受容体の燐酸化部位であるPKCの燐酸化部位を燐酸化をうけない他のアミノ酸に変えて、吸入麻酔薬などがこのMUTANT5HT_<2C>受容体にいかに作用するかも検討する。また、トラマドールとその代謝産物M1も抑制する結果を得た。これらの抑制機序を解析してみたところ燐酸化酵素を介さず、受容体に直接作用して抑制していることが確認できた。 今後この研究を踏まえて、さらに、MUTANT5HT_<2C>受容体をもった遺伝子変異マウスを形成し、これらに対して麻酔薬、鎮痛薬がどのように作用するのかを行動薬理的に解析する。これらの結果を踏まえての麻酔薬の痙攣誘発機序への5HT_<2C>受容体の関与を明らかにしたいと考えている。
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