研究課題/領域番号 |
16591577
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
山本 行男 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (80124501)
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研究分担者 |
西村 欣也 順天堂大学, 医学部麻酔学教室, 助教授 (80164581)
秋田 朗子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 主任研究員 (40124432)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 関節炎 / spinorphin / 内因性物質 / dipeptidyI peptidase III / proteomics |
研究概要 |
我々が見い出した内因性のペプチド・spinorphin(Leu-Val-Val-Tyr-Pro-Thr-Trp)が、薬理実験によりブラジキニン発痛系における鎮痛効果を、またカラゲニンを用いた急性炎症モデルにおける抗炎症効果など多様な生理機能を有することを、解明してきた。更に、炎症病態および免疫異常疾患である関節リウマチ(RA)の関節液中において、本物質およびその代謝酵素が顕著な動態を示すことも明らかにしてきた。本研究において、関節炎の病態関連蛋白質候補を探索しspinorphinとの関連性を検討するため、蛍光標識二次元デファレンスゲル電気泳動法(2D-DIGE)、質量分析およびWestern blottingにより解析を進めた。対照群は健常群と変形性関節症群(OA)を用いて比較検討した。2D-DIGEにおいて約3000スポットを検出したが、三群間で総スポット数の差は顕著に認められなかった。しかし、発現差異を示す蛋白質数は5-10%認められた。その中で、健常群における70-80kD蛋白質はRA群の7例中4例において2倍以上に増大したが、10-15KD蛋白質は7例中6例において発現量を減少させた。本蛋白質をゲルより抽出し質量分析にて解析し、炎症関連成分がいくつか同定された。関節液中のマーカーとして認識されているS100A8/A9(small calcium binding proteins)蛋白質は、RA群の脊髄液において、顕著な変化は認められなかったが、興味深いことに、spinorphin前駆体の発現量が減少していることを見いだした。今後、これら蛋白質の同定をさらに進めるとともに、spinorphinおよび関節炎病態との関連性を解明していき、病態マーカーとしての可能性をも追究していきたい。
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