研究概要 |
細菌の16s rRNA遺伝子に対するuniversal primerを用いたPCR法にて増幅されたDNA断片を、ヒトから検出される可能性のある各種の細菌のDNAを網羅したDNAチッブ上でハイプリダイズさせることにより病原微生物を検出し、尿路・性器感染症すべての細菌感染症の遺伝子診断を可能とするシステムの構築を目的としている。その中心的な課題である細菌一般に共通するDNAの塩基配列(16s rRNA遺伝子)を対象としたuniversal primerを用いたPCR法の確立のための基礎実験を行っている。 性器感染症を引き起こすhuman papilloma virus、herpes simplex virus、Trichomonas vaginalisなどの細菌以外の微生物については、それぞれに特異的なprimerを同一条件下で効率よく遺伝子増幅が可能なように設計し、multiplex PCR法での遺伝子増幅系の検討を行っている。しかしながら、各病原体に対して感度および特異性に優れたPCR条件の確立には至っておらず、平成17年度においても検討を継続する予定である。 Neisseria gonorrhoeae, Chlamydia trachomatis, Ureaplasma urealyticum, Mycoplasma genitaliumなどを含む微生物、大腸菌、緑膿菌などの尿路より検出されうる腸内細菌群、結核菌、さらに嫌気性菌などの遺伝子を固定化したDNAチップを作成するためのDNA断片の製作を並行して行っている。
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