平成16年度における研究成果は以下のとおりである。 1.動物実験および遣伝子組み換え実験を実施するにあたり、神戸大学学内の基準に照らし合わせて必要な講習の受講、必要書類の提出などを行った。 2.マウスC57Blackの足底筋(Soleous muscle)より筋繊維を採取し、マトリゲル_にて表面をコーティングした細胞培養皿上に静置することにより、筋繊維から筋芽細胞(fibroblast)の遊走を確認した。さらに培養を続けることによりfibroblastは互いに融合し繊維を形成した。繊維は筋特異的免疫染色にて筋繊維であることを確認した。この方法により我々は再生筋組織作成に使用するfibroblastの大量採取および培養に成功した。 3.共同研究者から血液を少量採取し、これを遠心分離したうえ単核球細胞層および血小板層を注射器にて吸引し、生成分離した。この分画は多血小板血漿(Platelet- Rich Plasma)と呼ばれ血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF-β)などを豊富に含んでおりすでに歯科領域などでは歯槽骨再生に広く臨床応用が進められている。 4.Hepatocyte Growth Factorをコードするアデノウイルスの供与を鳥取大学遺伝子医療学汐田教授より得ることが可能となった。現在このウイルスを293細胞にインフェクションさせ、実験に必要な量を確保するためにウイルスの増殖を行った。
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