平成17年度における研究成果は以下のとおりである。 マウスC57Blackの足底筋(Soleous muscle)より採取・培養したmyoblastをヌードマウス皮下へ注入する前段階として、細胞の足場(matrix)となるべき物質の選定を行った。現在市販されている各種のコラーゲンジェルあるいは生理活性物質を含むMatrigelなどをmyoblastと混合し、in vitroで細胞の生存を確認した。細胞はインキュベータ内に静置した培養液中で一週間の生存を認めたが2週間以上では死滅した。これは血管の新生が認められない条件下では細胞の長期生存が認められないことの証明であり、in vitroでは低栄養、低酸素条件下でのアポトーシスの抑制が細胞の生存に有効であると予想される。Bcl-2やICAD等アポトーシス抵抗性の因子をmyoblastへ強制発現するためのベクター(プラスミド)の開発を行っている。またin vivoの条件下で血管新生を促すべく血管内皮細胞、各種成長因子の併用を行っている。また血管内皮細胞と血管新生因子等が筋再生に与える直接効果を明らかにするための基礎的実験としてmyoblastと血管内皮細胞の共培養を行った。
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