研究課題/領域番号 |
16591599
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
金山 博臣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
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研究分担者 |
福森 知治 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10314874)
西谷 真明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40304521)
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キーワード | 腎細胞癌 / アポトーシス / ガレクチン-3 / CTL |
研究概要 |
われわれは癌の浸潤・転移に重要なキータンパクの1つであり、癌細胞に血管新生を誘導し、かつT細胞にアポトーシスを誘導するガレクチン-3蛋白質が腎細胞癌細胞株に強発現していることに注目し、腎細胞癌におけるガレクチン-3発現と、血管新生および癌免疫に重要なT細胞、NK細胞を中心とした細胞障害活性に及ぼす影響を検討した。 1)Real-time PCR法を用いた腎細胞癌組織のガレクチン-3発現の検討 われわれはreal-time PCRを利用してガレクチン-3の発現を定量的に測定し、42例の淡明型腎細胞癌では正常腎実質と比較して約10.6倍のガレクチン-3の高発現を認めることを見出した。 2)リコンビナントガレクチン-3蛋白質の作成とアポトーシスの評価 われわれはGST-fusion systemを利用し、リコンビナントガレクチン-3蛋白質を大量に精製した。さらに、血球凝集反応から、それらの蛋白質が活性を有することを確認した。 3)腎細胞癌組織からのCTL単離および腫瘍免疫の解析 腎細胞癌では、時として臨床的にリンパ球の浸潤を認める。われわれは、ヒト腎細胞癌組織から直接CD8陽性のCTLを単離しガレクチン-3のアポトーシス誘導効果をフローサイトメーターで検討した。その結果、1μMのガレクチン-3が56%の細胞にアポトーシスを誘導し、サイトクロムc放出およびカスパーゼ-3の活性を上げることを見出した。 ガレクチン-3の腎細胞癌におけるアポトーシスへの役割を明らかにすることは、腎細胞癌がさまざまな治療に抵抗性である機序の解明につながる可能性があり、ガレクチン-3をターゲットにした遺伝子治療への応用を最終目標にする予定である。
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