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2004 年度 実績報告書

サイトメガロウイルス感染の腎移植術後拒絶反応への免疫病理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 16591609
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

石橋 啓  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90347211)

研究分担者 東間 紘  東京女子医科大学, 泌尿器科, 教授 (90075549)
徳本 直彦  東京女子医科大学, 泌尿器科, 助手 (30246540)
キーワード腎移植 / サイトメガロウイルス / 急性拒絶反応 / 糖タンパクH / 糖タンパクB / アンチゲネミア
研究概要

これまでサイトメガロウィルス(CMV)が、CMV抗体を有しているレシピエントにおいても腎移植後の拒絶反応を引きおこす可能性がある理由は不明であった。そこで術前ドナー、レシピエント双方に潜伏感染するCMVのタイプを検索し移植後急性拒絶反応との関連を解析した。まず、福島県立医科大学における臨床分離株を解析したところ、糖タンパクHにおけるエピトープにCMV標準株AD169型とTowne型の2タイプが確認された。これらエピトープ部分をGST融合蛋白として発現、精製しELISA系を作成した。また糖タンパクBにおけるエピトープも同様にGST融合蛋白として精製した。精製した蛋白は合計7種類であった。我々の作製したELISAシステムを利用して、2004年に福島県立医科大学及び東京女子医科大学において生体腎移植予定のドナー、レシピエントの64組128名を対象としてドナーに潜伏感染しているCMV、レシピエントの抗体が中和可能なCMVを同定し、術後の臨床経過との関連を検討した。ドナー、レシピエントの組み合わせはCMV初感染群、再感染群、再燃群に分類することができた。急性拒絶反応はD+R-群で36%、D+R+群で50%に認められた。D+R+のグループを再燃群、再感染群に分けると急性拒絶反応は再燃群25.0%に対して再感染群では84.6%と有意に高率であった。また、レシピエントにおけるアンチゲネミア陽性率は初感染群が最も高かった。以上の結果よりCMV初感染に比して異なるタイプのCMVによる二重感染が腎移植後の急性拒絶反応の危険因子と考えられた。術前のドナー、レシピエント双方に潜伏するCMVエピトープの検索が重要であり、CMVの中和抗体が急性拒絶反応を抑制できる可能性が示唆された。2005年度も引き続き腎移植症例を集積し検討する。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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