研究課題/領域番号 |
16591609
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
石橋 啓 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90347211)
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研究分担者 |
東間 紘 東京女子医科大学, 腎臓病総合医療センター, 教授 (90075549)
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
柳田 知彦 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20363765)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 腎移植 / サイトメガロウイルス / 急性拒絶反応 / アンチゲネミア / 糖タンパクH |
研究概要 |
サイトメガロウイルス(CMV)は臓器移植後感染症の原因微生物として重要である一方、急性拒絶反応との関わりも従来から指摘されている。しかし、移植前よりCMV抗体を有している場合でもCMVが影響をおよぼしている理由はこれまで不明であった。我々は本研究において、CMVの再感染が移植に影響するとの仮説に基づいて腎移植レシピエントを初感染、再感染、再燃の各グループに分類し術後のCMV感染症発症率、アンチゲネミア陽性細胞数、急性拒絶反応発症率、術後1ヶ月クレアチニン値を比較検討した。対象は2004年、2005年福島県立医科大学および東京女子医科大学泌尿器科で生体腎移植を施行されたドナー、レシピエント114組のうち、CMV型別抗体が確認された98組で、最終的に初感染24組、再感染26組、再燃48組であった。術後アンチゲネミアが陽性になったレシピエントの内CMV感染症の発症は初感染グループと再感染グループが再燃グループに比較し有意に高かった(p=0.006,p=0.013)。また、アンチゲネミア陽性細胞数も再燃グループが他のグループと比較し有意に低かった(p<0.0001)。一方、移植後の急性拒絶反応発症率は再感染グループのみが初感染、再燃グループに比べ有意に高かった(p=0.008,p=0.001)。術後1ヶ月の血清クレアチニン値も同様に再感染グループのみが有意に高値であった(p=0.023)。以上の結果よりCMVの再感染は初感染と同様にCMV感染症のリスクが高い上、急性拒絶反応のリスクも最も高いことが判明した。再燃グループではそれらの発症が少ないことから、CMV中和抗体がCMV感染症、急性拒絶反応を抑制する可能性が示唆された。今後、急性拒絶反応を発症する機序としての抗CMV細胞性免疫の関与を検証する。
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