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2005 年度 実績報告書

タクロリムス誘発腎間質病変の治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 16591613
研究機関大阪市立大学

研究代表者

仲谷 達也  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40183511)

キーワード腎間質 / 線維化 / NF-κB / MCP-1 / 尿管結紮 / マクロファージ
研究概要

腎間質線維化は慢性進行性腎障害の予後規定因子としてその重要性が注目を集めている。腎間質の線維化においては先ず局所へのマクロファージ浸潤による間質炎症が先行し、引き続いて腎皮質線維化関連遺伝子発現が亢進する。したがって、炎症機転を抑制し局所へのマクロファージ誘導をコントロールすることが線維化発症を防ぐ上で重要となる。Activator protein-1 (AP-1)やNuclear factor-κB (NF-κB)はマクロファージ誘導に係わるmonocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1)遺伝子発現を調節する転写因子であり、その持続的な活性化が腎間質線維化の発症と進展と深い関連をもつ。
これまでタクロリムス慢性腎障害モデルにおける腎間質線維化にNF-κBが関連することをNF-κB阻害剤Pyrrolidine Dithiocarbamate (PDTC)を用いて明らかにしてきた。一方、ポリフェノール類のCurcuminはAP-1やNF-κBに対する阻害作用を有することが報告されているが、Curcuminが腎間質線維化に関してどのような作用をもつのかこれまで詳細が明らかでなかった。そこで、腎線維化モデルである一側尿管結紮(UUO)ラットでUUO施行1週前からCurcuminを経口投与し、腎間質線維化予防効果を調べ、同時にPDTCによる効果と比較検討した。その結果、CurcuminがPDTCと同じように腎間質でのNF-κBの遺伝子発現を抑制し、MCP-1抑制を介して局所へのマクロファージ誘導と線維化を抑制していることが示された。但し、両者ともAP-1に関する効果は今回の検討では明らかでなかった。さらにRhoキナーゼ阻害剤等についてもUUOモデルでの線維化予防効果に対する同様の研究を通じて検討し、炎症反応を伴う腎線維化のメカニズムを多方面から明らかにしてゆく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Attenuation of renal fibrosis by curcumin in rat obstructive nephropathy.2006

    • 著者名/発表者名
      Kuwabara N, Tamada S, Iwai T, Teramoto K, Kaneda N, Yukimura T, Nakatani T, Miura K
    • 雑誌名

      UROLOGY 67巻2号

      ページ: 440-446

  • [雑誌論文] Molecular mechanisms and theraeutic strategies of chronic renal injury : The role of nuclear factor κB activation in the development of renal fibrosis.2006

    • 著者名/発表者名
      Tamada S, Asai T, Kuwabara N, Iwai T, Uchida J, Teramoto K, Kaneda N, Yukimura T, Komiya T, Nakatani T, Miura K
    • 雑誌名

      J Pharmacol Sci 100巻

      ページ: 17-21

  • [雑誌論文] アンチセンス法を用いた腎虚血再灌流傷害軽減の展望2006

    • 著者名/発表者名
      吉村力勇, 松山昌秀, 仲谷達也
    • 雑誌名

      炎症と免疫 14巻1号

      ページ: 95-103

  • [雑誌論文] 分子標的治療:何をターゲットにすべきか2006

    • 著者名/発表者名
      木下義久, 鞍作克之, 仲谷達也
    • 雑誌名

      Urology View 14巻1号

      ページ: 76-82

  • [雑誌論文] Influence of glucose and inflammatory cytokines on TGF-β1 and CTGF mRNA expressions in human peritoneal mesothelial cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto N, Sugimura K, Kawashima H, Tsuchida K, Takemoto Y, Naganuma T, Nakatani T
    • 雑誌名

      Int J Mol Med 15巻

      ページ: 907-911

  • [雑誌論文] 腎移植における腎機能評価としての画像診断2005

    • 著者名/発表者名
      熊田憲彦, 仲谷達也
    • 雑誌名

      Radiology Frontier 8巻1号

      ページ: 27-32

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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