研究課題/領域番号 |
16591622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中川 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50227740)
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研究分担者 |
宮嶋 哲 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245572)
香野 日高 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50338133)
村井 勝 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90101956)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | DHMEQ / 移植 / 虚血再灌流障害 / 急性拒絶反応 |
研究概要 |
腎臓移植こおいては、虚血再灌流障害、急性拒絶反応、慢性拒絶反応と移植腎廃絶につながる様々な可能性があるが、いずれにもNF-κBが転写因子として関与する。したがって、NF-κBのレベルでこれらの反応を抑制することは、新たな免疫抑制剤の可能性を予感させる。本研究は新しい選択的NF-κB活性阻害剤であるdehydroxylepoxyquinomicin(DHMEQ)を用い、各イベントにおける効果を検証し、新規免疫抑制剤としての可能性を探ることを目的とした。最初にヒト培養近位尿細管細胞であるHK2を用い、虚血再灌流障害に対する細胞実験を行いDHMEQの特性を理解、同時に至適濃度等の検討を行った。正常酸素環境下、低酸素撮境下、H_2O_2細胞障害環境下で、DHMEQのプレコンディショニングを行い、Tripan blue染色、CDCFH,assayで結果を得た。正常酸素環境下ではDHMEQ 4μg/ml以上、低酸素環境下では16μg/ml以上で、HK2生存細胞比率が著しく低下した。これまでの泌尿器癌の実験結果も踏まえ、8μg/mlを実験濃度とした。DHMEQのプレコンディショニングこよりH_2O_2細胞職験ではH_2O_2濃度依存性に細胞障害が増強した。また、DHMEQ添加、非添加に関わらず、H_2O_2細胞障害実験で細胞内ROS活性に差を認めなかった。しかし、フローサイトメトリーの検討では、DHMEQはHK2細胞上のICAM-1発現、IL-8、MCP-1産生をほぼ完全に抑制した。DHMEQは臓器保存液添加より個体全身投与に適すると考え、ラットモデルでの腎虚血再灌流、皮膚移植急性拒絶反応実験を行った。虚血再灌流実験では、DHMEQ(8mg/kg)術前単回投与群、術後7日間投与群、非投与群で検討した。他の2群に比し、術前単回投与群において、再灌流後有意に24時間尿量が多く、血清クレアチニン値が低かった。また、皮膚移植急性拒絶反応モデルにおいては、DHMEQ7日間投与群は術後7日目で拒絶反応の兆候を示さなかったのに対して、非投与群においては、50%以上の壊死を認め、急性拒絶反応が明らかであった。
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