研究課題
基盤研究(C)
体腔鏡下の腎阻血による腎障害を阻血時間と冷却の有無の2点から検討を行なった。タイコヘルスケアのトレーニングセンターにて、生後3ヶ月の家畜ブタを用い、阻血時間30分、60分、90分の3種類の実験モデルを非冷却群と冷却群の2群にわけ、計6パターンの実験を行なった。冷却は腎直上にラップディスクを用いて小孔を造設し、そこよりアイススラッシュを腎周囲に散布し行なった。冷却温度は20〜25℃とした。阻血解除後に210分間経時的に尿と血液の採取を行い、血清BUN、血清Cr、尿中β2ミクログロブリン、尿中NAGにて評価を行った。阻血時間30分の実験モデルでは、尿中β2ミクログロブリン、NAG値は両群とも差がなく、また、その値も、60分、90分モデルに比べると低いものであった。阻血時間30分モデルでは、尿中β2ミクログロブリンはピーク値こそ非冷却群の方が高いが、阻血解除後120分頃より改善し、210分の時点では冷却群のほうが低値となった。尿中NAGにおいては冷却群のほうが低値示した。阻血時間90分モデルでは尿中β2ミクログロブリン、尿中NAG値いずれも冷却群の方が低値を示した。阻血時間30分モデルでは、阻血による近医尿細管障害が軽度であり、冷却群も非冷却群も尿中β2ミクログロブリン、尿中NAG値の推移が変らない結果になったと考えられる。阻血時間60分、90分のモデルでは、阻血による障害は強くなるため、冷却群の方が非冷却群に比べ、尿中β2ミクログロブリン、尿中NAG値において優れた結果になったと思われる。
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東海ジャーナル (発表予定)